固形薬剤の水ならびに各種溶剤に対する溶解度(固液平衡)は,薬の成分の放出・体内輸送・体内への吸収限界といった薬物動態学などに影響するため,製剤工程において必須の物性値です.また,新規医薬品原薬の高純度化を晶析プロセスにより行う際,種々の有機溶媒中における医薬品原薬の溶解度データは,晶析に最も適した溶媒の選択ならびにそのプロセスの設計において重要になります.
本研究室では,医薬品関連物質を含む混合物の正確な溶解度の測定を本学薬学部と共同で行っています. また,近年多くの医薬品が難水溶性(水にほとんど溶けない)であることから,助溶媒としてエタノール・界面活性剤・シクロデキストリンなどを加えた医薬品の可溶化とその推算手法の確立にも取り組んでいます.
助溶媒の添加による医薬品溶解度の向上